アレルギー性鼻炎は、くしゃみ、水のような鼻水、鼻づまり、痒みなどの独特の四種類の症状が特徴的な慢性疾患です。アレルギー性鼻炎がひどい場合には、眼がやたらに眩しくて涙がとまらず、頭痛などの症状が一緒に生じます。アレルギー性鼻炎の原因は、ダニや動物の毛などの特定抗原に対して過剰に反応する免疫反応です。この免疫反応が、普通の人には見られない珍しい体の反応を引き起こすのです。つまり体の免疫系統の異常が原因です。異常というよりも過剰反応です。
アレルギー性鼻炎に見られるこのような免疫反応は、血液内の特異免疫タンパク質(IgE)によって引き起こされるとされています。アレルギー性鼻炎患者の血液中には、特異抗原に対するIgEが高い数値で存在します。そして、このような過敏性素質は遺伝的傾向があります。

一方、慢性的で季節と関係なく年中続くアレルギー反応を通年性アレルギー性鼻炎と言います。季節性アレルギー性鼻炎の原因となる物質は、具体的には、まず花粉で物の花粉。花粉症としてよく知られていますが、季節性アレルギー性鼻炎としても知られています。
季節性アレルギー性鼻炎と花粉症は同じものです。

2種類の花粉症

①季節性アレルギー性鼻炎(=花粉症)
原因となる花粉の飛ぶ季節にだけ症状があります。
日本では、約60種類の植物により花粉症を引き起こすと報告されています。
主なアレルゲン:スギ、ヒノキ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、シラカバなど。

症状:
鼻の三大症状だけでなく、目の症状(かゆみ、なみだ、充血など)を伴う場合が多く、その他にノドのかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽい感じなどの症状が現れることがあります。
(さらに、シラカバ、ハンノキ、イネ科花粉症などの人がある果物や野菜を食べると、口の中がかゆくなり、はれたりする「口腔アレルギー症候群」という症状もあります。)

②通年性アレルギー性鼻炎
アレルゲンが一年中あるので、症状も一年中あります。
主なアレルゲン:ダニ・家の中のちり(ハウスダスト等)・ゴキブリなどの昆虫、ペットの毛・フケなど。

症状:
喘息、アトピー性皮膚炎などを合併することがあります。
最近、通年性アレルギー性鼻炎と花粉症の両方に悩む人や、複数の花粉に反応する人も増えており、
ほぼ一年中くしゃみ・鼻みず・鼻づまりや眼のかゆみ・異物感に悩まされるという人も少なくありません。